米松合板とは その3  スピーカーボックスに使用可能な米松合板について

スピーカーボックスに使用できるAPA(アメリカンプライウッド協会)の認定した米松合板について述べます。

 一般的に建材用の米松合板は、サンド掛けされていないので、表面が平ではなく、オーディオ用としては不向きです。

サンド掛けされていれば、突板を貼ったり、ペイントできます。また、接着剤の付きも良いです。

米松合板には、必ずAPAのスタンプが押されていますので、スピーカーボックス制作に相応しい米松合板を紹介いたします。

 

マリン プライウッド 

米松合板の最高峰です。 この合板は、表面・裏面・中芯材まですべてBクラス以上の米松(ウエスタンラーチを含む)

で製造されています。

唯一、米松100%なのです。 このマリンプライウッド以外の合板は、中芯材は、他の針葉樹を使用することが許容されています。

しかし、マリンプライウッドは、表裏面・芯材ともにB級以上の米松べニア(薄板)で製造されなければいけないのです。

中芯材の節穴等の大きさは、厳しい基準が課せられています。つまり節穴は殆ど無いのです。

このスタンプは、、表面・裏面ともに仕上げグレードなので、エッジにスタンプが押されています。

表面・裏面ともに A 級のべニアを使用 屋外使用可能な接着剤使用 です。 000は、ここに認定工場の番号が入ります。

PS 1-83は、米国商務省の合板製品規格です。ただし現在は、改編されてPS1-95になっています。

 基本的に、中芯材まで節穴が殆ど無いので、合板がソリッドです。これでスピーカーボックスを製作した場合、

良い響きになるのではないかと思います。今回は、この合板をアメリカより輸入しました。

 

 

 

ABサンド・ACサンド

表面にサンド掛けされたグレードです。これは、建材グレードではなく、家具・造作等に使用する合板です。

中芯材まですべて、米松を使用しなくても良いことになっていますので、米松100%の合板ではないようです。

 割合入手可能で、値段も中庸で使用しやすい合板です。 中芯材の節穴等は、ある程度許容されています。 

上が英語版、下が日本語版です。 今回は、このACサンドも輸入しました。

 

かつて 日本語版のAPAパンフレットがありましたが、現在合板の比率が下がってきたので、このパンフレットは、廃止になった

ようです。

 

 

スタード・アイ・フロアー

これは、床材用の建材グレードですが、表面はサンド掛けされているのでスピーカーボックスに使用可能です。

厚さが最大で28㎜のものがありますので、大きいボックスにも使用可能です。建材グレードといっても品質が劣るというものでは

ありません。表面は、Cプラグド級です。 節穴は、合成樹脂材で埋められてサンド掛けされています。

床用合板ですので、一体性を確保する目的でさねはぎ加工されています。

中芯材まですべて、米松を使用しなくても良いことになっていますので、米松100%の合板ではないようです。

 割合入手可能で、値段も中庸で使用しやすい合板です。 中芯材の節穴等は、ある程度許容されています。 

私は、この合板で、巨体のDD55000 エベレスト レプリカを制作しました。 この厚い板を使い、なるべく振動を抑えた

強固な設計にしました。

 

この28㎜厚米松合板で製作した、DD55000 エベレスト レプリカです。 側板は2枚重ねで56㎜あります。

この箱は、米松材の補強も多く入れているので、重さ約150キロ以上(ユニット含まず)です。

ウーハー用のバッフル板には、無節のセレクトした合板を使用しました。

 

以上 合板の説明でしたが、説明文中に出てきた 米松べニア(薄板)の等級についての説明です。

一般的に言って、A級べニアでも日本人から見れば普通のグレードです。数か所に節穴の補修があります。

全く欠点がないというわけではありません。

やはりアメリカ製ですから、少し大雑把な面がありますのでご留意ください。 むしろ、フィンランド バーチ合板等の方が

丁寧に製造されている感があります。 

  補足として、A級べニアの上にN級という等級もあります。 欠点がごく少ない優秀なグレードですが、市販された合板を見たことが

ありません。