C44-100 パラゴンレプリカ制作 第7ロット ニス仕上げの試験塗布

お客様から仕上げ方法において、ニス仕上げのご提案がありました。

私にとって、ニス仕上げは全く未知の仕上げ方法です。

 このニスは、ホームセンターで販売されているような一般的なものではなく バイオリンメーカーが楽器に塗布するものを、

スピーカーボックス用のアレンジしたものです。

現在、ウォルナット突板に塗布して試験中です。

塗布方法は、スプレーや刷毛塗りになれた私にとってかなり特殊な方法です。

タオル生地で、てるてる坊主のようなタンポを作りそれで塗布します。

更に興味深いのは重ね塗りする場合、オリーブオイルも付けて 塗布すると滑りが良くなりスムーズに塗れるというわけです。

乾くと不思議なことにオリーブオイルの油分が少なくなりべた付きが無くなります。

この、ニスの良い点は、発色が綺麗なのはもとより、突板の接着剤の接着力を阻害しないことです。

接着剤が反応して、接着力が弱くなれば、突板が浮き上がり、修復不可能になりますので広い一面貼り直しになります。

また杢目が連続するように貼っていますので、他面も貼り直しとなれば、時間と材料が大損害になります。

だから接着剤の接着力を阻害しないことが最重要なのです。 これが、仕上げ材選択のポイントです。

因みにこれまでかなりの数の塗料・オイル・ワックス等を試用しましたところ、殆どが失格でした。

これは、私独自の作業方法・材料との相性から判断した結論であって、決して欠陥品という訳ではありません。

 

1回目塗布 タンポでニス塗布 吸い込みは良い方です。

 

一回目塗布 杢目に沿って擦りこみ、その後タンポ跡が残らないように軽く塗布します。

一回目塗布 こちらは、突板ではなく、ソリッドなウォルナット材でに塗布です。

2回目塗布 食用オリーブオイルを潤滑剤としてニスを塗布します。

2回目塗布 塗布した直後ですのでテカっています。 5~6回 塗り重ねて完成します。